幼い子どもの花粉症 まずは気づいて受診して 2/22

 子どもが鼻や目をクシュクシュと、こすったりしていませんか。花粉が本格的に飛び始めるこの季節。本人はつらさをうまく言葉にできないだけに、周囲の大人が早めに気づいてあげることが大切です。

 東京都江東区に住む主婦の若松清美さん(41)が、小2の娘・栞(しおり)ちゃん(8)の変化に気づいたのは、2歳のときだった。

 時は2月。鼻がつまって苦しそうで目もかゆそう。でも、花粉症の経験がない清美さんは「風邪かな?」としか考えなかった。症状は、暖かくなる頃にはおさまった。

 だが、次の年も同じ時期に似たような状態に。耳鼻科を訪れて、花粉症と診断された。最近は、外出時に花粉症対策用のメガネとマスクをつけるようになり、ようやく症状が軽くなってきたという。

 幼児でも花粉症になる子は少なくない。

 ロート製薬が2014年、0〜16歳の子ども約2500人の親に聞いた調査では、約3割の子どもについて、親が「うちの子は花粉症だ」と感じていた。うち0〜5歳で発症している子は4割を超えた。

 子どもの花粉症に特徴はあるのだろうか。

 大阪府済生会中津病院小児科、免疫・アレルギーセンターの末廣豊医師は、くしゃみや鼻水といった花粉症の典型的な症状が、大人よりも出にくいと説明する。

 「ぼーっとする、頭が重く感じるといった症状もあると思いますが、幼い子どもは言葉にして訴えることができません。大人が早めに気づいてあげることが大切です」

 ■風邪と見分ける

 風邪と見分けがつかず、気づきにくいケースもある。発熱はなく、鼻水が透明で、自宅にいるときよりも外出時に症状がひどくなるといった傾向があれば、花粉症の可能性がある。

 治療は、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬を飲んだり、くしゃみや鼻水をおさえるステロイド薬を鼻に噴霧したりするのが一般的だ。抗ヒスタミン薬は眠気をもよおすことがあるが、最近は眠くなりにくいタイプの薬も出ている。

 末廣医師は「花粉症を放っておくと、授業に集中できないなど学校生活の質にも影響を及ぼします。症状が進んでからでは治療の効果も出にくいので、早めの受診を心がけてください」と助言する。

 では、普段の生活で家族ができることは何だろうか。

 基本は「花粉をできるだけ避けること」(末廣医師)。ただ、親自身が花粉症ではない場合、ついつい対策を忘れがちだ。

 家に花粉を持ち込まないために、帰宅時には、服や体についた花粉を玄関先で払う。日中は、窓を開けっ放しにしない。セーターやフリース素材など毛羽だった服は花粉がつきやすいので、子どもだけでなく家族も避けたほうがよい。

 花粉情報をチェックして飛散の多い日に外出する時は、マスクや花粉症対策用のメガネなどを利用する。帰宅時は、うがいや手洗いも忘れずに。目をかゆがる時は、こすらずに、水で洗い流すといい。(立松真文)

 引用 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11614757.html