子どものおねしょ ためる力、あせらず育んで 9/28

 子どもがおねしょで布団をぬらしてしまって、ため息をついたり、つい怒ってしまったり、といった経験はありませんか。子どものおねしょは、なぜ起きるのでしょうか。どんな場合に、お医者さんに診てもらうといいのでしょうか。専門家に聞きました。

 寝ている間につくられる尿の量と、尿をためる膀胱(ぼうこう)の大きさ。このバランスがとれないために、膀胱から尿があふれ出てしまうのが幼児期のおねしょの原因とされる。

 子どもは成長するにつれて膀胱の容量が大きくなり、ためられる尿の量も増えていく。また、眠っている間に脳から出る「抗利尿ホルモン」が増え、夜間の尿の量も抑えられるようになる。

 こうして2、3歳ごろから、おねしょの回数は自然と減っていく。

 「5、6歳を過ぎておねしょが続く場合は、こうした生理的メカニズムが、完全には整っていないことを意味します。これを『夜尿症(やにょうしょう)』と呼んでいます」。夜尿症の専門外来がある世田谷子どもクリニック(東京都)の帆足英一名誉院長は、そう話す。

 「小学校に上がっても、月の半分くらいおねしょするようであれば、治療で早めに自立させてあげる方がよいでしょう」と帆足さん。同クリニックでは、水分コントロールなど生活習慣の改善指導をしたうえで、ホルモンを補う薬を飲んだり、おねしょしたら鳴るアラームをパンツにつけたりする治療法を組み合わせていくという。

 日常生活でできることはどんなことだろうか。

 まずは水分摂取のタイミングをコントロールする。朝と昼に少し多めにとって、夕方からは控えめにする。夕食はできれば就寝の2〜3時間前に済ませておくといい。子どもが寝る前にのどの渇きを訴えたら、氷を1、2個与えてもよい。

 抗利尿ホルモンは、夜にぐっすりと眠ることで分泌されるので、トイレに行かせようとして、夜間に起こすのは避けた方がよいという。

 幼児期、日常的にトイレを促し過ぎるのもよくない。尿がたまる前に「おしっこは?」などと聞き、しょっちゅうトイレに行くよう促していると、ためる力がつかないためだ。

 帆足さんは「親が子どものおねしょを責めないことも大切です。あせらずに支えてあげてください」と助言する。

 小学校に入ってからおねしょが続くと、子どもにとって心理的な負担になるという指摘もある。

 夜尿症の子どものカウンセリングに携わってきた東京成徳大学大学院の田村節子教授(学校心理学)は、「おねしょが続くと、子どもは自分自身の体をコントロールできないと思うようになり、自尊心が低下してしまいがちです」と説明する。

 その結果、学校の勉強に身が入らなくなったり、友だちと対等になれず畏縮(いしゅく)した態度をとるようになったり、といった影響が出ることがある。また、親が「自分のしつけのせい」と自身を責めてしまうケースも多いという。

 田村教授は、「学校生活の質の低下につながったり、親子で抱え込んで悩んだりする前に、早めに医療機関を受診したほうがいい」と助言する。

 (立松真文)
引用http://digital.asahi.com/articles/DA3S11373767.html?_requesturl=articles%2FDA3S11373767.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11373767

靴選び、初めの一歩 かかとやサイズ意識して10/26

 よちよち歩きの子どものために人生初の靴選び。かわいらしさに目が行きがちですが、足の健康にかかわるため、機能性もよく考えて選ぶことが大切です。初めての靴選びのポイントを専門家に聞きました。

 子どもが歩き出すのは一般的に1歳前後から。

 「何にもつかまらずに3メートルくらい歩けるようになったら靴の選び時」と、NPO法人「WISH」(愛知県知多市)の永井恵子理事長は言う。WISHには靴店で働く永井さんのほか、医師や看護師もおり、子どもの足や靴についての正しい知識を講演会などで話している。

 ■足の形にも影響

 永井さんいわく「まず気をつけてほしいのはかかと」。靴のかかとを囲う部分に芯が入っていて、かかとが傾かないようしっかり支えられていることが大切だ。

 高田馬場病院(東京都豊島区)で足の専門外来を開く日本靴医学会理事の町田英一医師によると、子どもの骨は大人に比べてやわらかく変形しやすい。かかとを靴でサポートしないと、立って歩いた時に自分の体重を支えきれず、かかとの骨が内側に傾く外反扁平(がいはんへんぺい)足などの原因になってしまうという。「放っておくと痛みが出たり、歩くのに支障が出たりします」

 サイズも大切だ。小さすぎると指が曲がってしまうし、大きすぎると足が安定せず危険。試着のとき、かかとを後ろにつけた状態で「つま先と靴の先端の間に5ミリ程度の余裕があるといい」(町田さん)。5本の指が靴の中で圧迫されず、自由に動かせるのが望ましい。つま先を先に合わせてしまってはダメ。指が曲がり正しいサイズが測れない。

 メーカーや種類によって、サイズが1センチ刻みの靴と5ミリ刻みの靴がある。できれば5ミリ刻みで子どもの足にもっとも合うものを選びたい。

 足と靴がフィットしていないと、正しい歩き方も身につかない。ひもや面ファスナーがついていれば、甲の部分に多少ゆとりがあっても締められる。また歩きやすいように底は適度にクッション性があり、滑りにくいのがいい。

 靴を慣れさせるために室内などで履かせる柔らかいつくりの靴もあるが、子どもが自力で歩く頃には、かかとやサイズをしっかり意識したほうがいいだろう。

 ■成長の早さ注意

 子どもの足の成長は早く、初めての靴は3〜4カ月で小さくなることもある。そのため、足が窮屈になっていないか親がこまめに確かめよう。歩いてすぐにおんぶやだっこをねだる子は、靴が合っていない可能性もある。町田さんは「子どもはなかなか『痛い』と言葉に出さない。親が気づいてあげなければ」。

 最後にお下がり。他人が履いていた靴は形にくせがつき、もらって履いた子の本来の成長を妨げる可能性がある。かかとの底も減っていることが多い。

 アディダスジャパンが2011年に実施したアンケートでは、未就学児の親770人のうち、子どもの正しい靴選びを「理解している」と答えたのは約33%だった。

 WISHの永井さんは「靴を替えて、足や体の不調が改善した子もいる。もっと靴に関心をもってほしいです」

 (坂井浩和)
引用http://digital.asahi.com/articles/DA3S11422256.html

子どものお片付け 物を減らし「定位置」作り11/02

 「叱っても、片付けてくれない」「子ども部屋が片付いたためしがない」。そんな悩みを持つ親も少なくないのでは。子どものお片付けのためのルール作りや実践のコツを専門家に聞きました。

 「毎日、片付けなさいって言うのも疲れます」

 東京都江東区に住む会社員の女性(41)は話す。小学2年生の娘には「自分の部屋」があるが、常に散らかりっぱなしだ。学用品も、学校に置いてきたのか、家に持ち帰ったのかわからず、そのままなくすことも。見かねて片付けることもしばしばだという。

 「子どもに代わって片付けるのが親の役割ではありません。片付け嫌いでも、片付けしやすい仕組みを作ることが役割です」。「子どものお片づけ」の著書がある、橋口真樹子さんはそう話す。

 ■「使ってる?」

 持ち物が多いほど、片付けは難しい。まず、子ども自身で管理できるよう、量を減らす。成長に伴って不要になった物がないか見直してみる。

 「実は子どもの物を増やしているのは買い与える親なんです。新たに物を増やさないようにすることも大切です」

 子どもに「捨てていい?」と聞くと、「ダメ」といわれがちだ。処分する時は「使っているかどうか」を基準に子どもに尋ねてみるのも手だ。

 片付けの基本は、物を決めた場所に戻すこと。「片付けの仕組み作りのポイントは、物の『定位置』をどう決めるかにあります」と橋口さん。

 例えば「おもちゃは子ども部屋」と決めてしまうと、うまくいかないこともある。おもちゃをリビングに持ってきて遊ぶ子だと、戻すのがおっくうになり、結局、だしっぱなしになりかねない。橋口さんは「よく使うおもちゃだけは、リビングに収納スペースを確保してあげると、ぐっと片付けやすくなります」。

 橋口さんは、テレビボードの引き出しの一つをおもちゃ箱代わりにしている。リビングで宿題をするなら、教科書やノートだけでも、リビングに収納場所を作ってもよい。

 ■子ども目線で

 大切なのは、「子ども目線での片付けやすさ」だ。収納場所は子どもの手が届きやすいか? 洋服をたたむのが性格的に苦手な子に、きっちりたたむことを求めすぎていないか? 「親のレベルではなく、子どものレベルや性格も考えましょう」

 一方、整理収納アドバイザーの園田智恵さんは、親が片付け方を教えることが大切だという。

 小学生の親向けの片付け講座を開いた経験から、「就学前の子には『一つの箱に入れればいい』と教えている親が多い」と話す。これでは、小学生になった時、おもちゃはこの箱、勉強道具は机、ランドセルは棚に、と分けて片付けられるようにはならないという。

 「片付けといえば、どこかに突っ込むことだと思っている子もいる。それは、物を『分ける』ということを教えていないからです。分けることに慣れるまで、親が一緒に片付けてください」

 幼児でも、こうした一歩進んだ片付けの習慣を身につけることはできる。例えば、文字がわからなくても、箱に絵やイラストをはれば、おもちゃを分類して片付けられるようになるという。

 ■分類ルール決め収納

 ちょっとした工夫もある。例えば、勉強机。橋口さんは「勉強道具と遊びの物が入りまじっていることが多い。まずは、衣類と同じように分類から始めては」と話す。例えば、(1)教科書やノートなど学校で使う物(2)塾やお稽古ごとなど学校以外の勉強で使う物(3)シール類やカードやお菓子のおまけのフィギュアなどその他――に分ける。

 その上で、(1)を優先してしまっていく。一番よく使う教科書や参考書、プリントなどの紙類は、手が届きやすい机の上の棚に。文房具などは、上の引き出しから入れていく。足元にキャスター付きワゴンを置き、書道セットなどの学用品を入れたり、学校でつくった工作を一時的に保管したりする場所にしてもよい。使用済みのノートや教科書などは処分するか、机の深い引き出しや机以外の収納場所に入れる。

 (2)は量が多いので、机以外の収納場所に移動したほうが分かりやすい。(3)は量が少なければ、勉強机の引き出しにしまってもよい。ただし、こうした子どもの「宝物」は勉強中は使わない引き出しに入れたほうがよい。

 頭を悩ますのが、学校から持ち帰ってくる工作や絵。限られたスペースで、ずっと保管するのは難しい。

 園田さんが提案するのは、リビングや玄関など、家族の目につく場所に、ちょっとした「展示コーナー」を作ることだ。子どもにがんばった作品を選ばせ、一定期間、飾る。時期が来たら、子どもに確認して処分する。園田さんは「飾ってほめることで、子どもも満たされた気持ちになり、手放しやすくなります」と話す。

 (立松真文)
引用http://digital.asahi.com/articles/DA3S11434573.html

お箸の正しい持ち方 教室で練習「子どものうち」11/16

毎日の食事に欠かせない箸。「上手に持てない」と苦手意識がある子どもが多いようです。正しく持てるようになるためのヒントを、専門家に聞きました。

 「世界の人の何割がお箸でご飯を食べているかわかりますか?」。箸製造販売会社「兵左衛門(ひょうざえもん)」(本社・福井県小浜市)文化事業部の中道久次さん(70)の問いかけに子どもたちがざわついた。

 「答えは3割。その中でも、日本は、最初から最後までお箸だけで食べる唯一の国なんです。はさむ、つまむ、切る、はがす、すくう……。箸でできることはたくさんあるけれど、お箸を正しく持てないと難しい。食べ物の好き嫌いにもつながります」

 10月半ば、東京都台東区立金竜小学校で6年生を対象にあった「お箸知育教室」。箸の持ち方をクイズ形式で学んだり、正しい持ち方、使い方の指導を受けたりしてから、それぞれの手の大きさにあった箸を作った。箸を握るように持ってしまうという田島瑚雪さん(11)は「自分で作ったお箸を使うたびに、今日聞いた話を思い出せそう」。

 今回の「お箸知育教室」は区教委の橋渡しで開かれた。同教委は食育の一つとして、2008年度から希望する区立小中学校で知育教室を実施。食育関連なら各学校が自由に使える「食育予算」も年間2万5千円ずつ計上している。

 金竜小学校では今年、食育予算で、指をあてる部分に印やへこみがある練習用の箸を購入した。1年生から3年生が学級ごとに、交代で一定期間ずつ使う。

 2年生の北村唯香さん(8)は「練習用のお箸の時は中指を箸と箸の間に入れられるようになった」と喜ぶ。

 栄養士の宮嶋伸枝さん(60)は「保護者も正しくお箸を使えないことも多く、学校で教える必要がある。お箸の正しい持ち方は鉛筆の持ち方にも通じ、勉強面でのよい効果にもつながる」と話す。

 1998年に始まった「お箸知育教室」はこれまでに全国で約2千回開かれた。参加者は子どもに限らず、計10万人以上が箸の持ち方などを習った。講師の中道さんは「クセが強くなってしまっている大人のお箸の持ち方を直すのは難しい。子どものうちに正しい持ち方を教えてあげてほしい」と話す。

 では、正しい持ち方と練習方法は? 自宅でもできる手順をまとめた(図)。コツは、まずは上の箸だけで練習すること。そして、開閉が難しければ、下の箸を押さえた状態で上の箸を動かす練習を。「できないことをやるのは大人でもつらい。練習は、楽しく過ごしたい食事の時間以外に。親子一緒に、短時間の練習を繰り返し、少しできたらほめてあげて」

 ■マナー絵本・ホテルでレッスン

 箸や器を置く位置、尾頭つきの魚の食べ方、スープの飲み方――。子どもに知ってほしい食事のマナーは箸の持ち方以外にもたくさんある。では、どう伝えたらいい? そんな保護者の期待に応える絵本が売れている。

 『テーブルマナーの絵本』(高野紀子作、あすなろ書房)。2011年の出版から3年で約12万部売れた。動物のキャラクターたちとともに和食、洋食のマナーを学べる。バイキングや回転ずしといった外食先でのマナーも取り上げているのが特徴だ。

 山浦真一編集長(56)は「バイキングで食べ終えたお皿に、もう一度料理を盛っていいのか。大人も意外と知らないマナーを網羅できる実用絵本をつくりたかった。保護者が口で言っても身につきにくいマナーが、絵本を介することで自然と身につく、と喜ばれている」と話す。

 ホテルも子どものマナーレッスンに力を入れている。

 京王プラザホテル(東京都新宿区)は03年から、小学生とその家族を対象に「ファミリーテーブルマナープラン」を春休み、夏休み期間に開く。洋食と懐石の2コースで、スタッフのマナー指導を受けながら食事を楽しむ。

 同様の教室は各地のホテルでもあり、夏休みなどに開催するケースが多い。

 『子どもに恥をかかせない食事のマナー』(マガジンハウス)の共著があるクッキングプロデューサーの葛(かつら)恵子さんは「食事のマナーは一緒に食べる人、サービスをしてくれる人への思いやり。個食をさせず、色々な人と色々な場所で食事をさせることで、身につけさせてあげて」と話す。

 「お箸やナイフ、フォークの使い方に自信がないと気後れするもの。しっかり身につけて社会に出ることは、一生の財産です」(松尾由紀)

子どものお風呂 目離さず、一緒に遊ぼう 2014/11/30

 赤ちゃんが生後1カ月を過ぎるといよいよお風呂デビュー。子どもとスキンシップができる絶好の機会ですが、動き回る赤ちゃんとの入浴に不安を感じる親もいます。上手にお風呂に入るには、どうしたらいいのでしょうか。

 首都圏で親子カフェを展開する会社「スキップキッズ」が今月上旬、東京都内で妊婦や乳幼児の親に子どものお風呂の入れ方を教える「はじめてのお風呂セミナー」を開いた。参加した伊藤久美子さん(32)は長男の豪志ちゃん(1)との入浴を振り返り、「ひざの上に子どもを乗せて洗うとき、せっけんで滑ってひやっとしたことがある」と話す。

 同社が0〜3歳の乳幼児の母親402人を対象にした調査では、約半数が「子どもとの入浴に不安や疑問がある」と回答。お風呂の入れ方や注意点を教わったことがない人も約6割にのぼり、「1人で子どもを入れるのが怖い」などの声が寄せられた。

 ■滑らないように

 お風呂ではせっけんを使うので、裸の赤ちゃんは滑りやすい。セミナーで講師を務めた助産師の小野貴代さんによると、赤ちゃんを抱っこするときは大判のガーゼでくるんだり、親のひざの上に乗せるときはタオルをしいたりすると滑りにくくなる。

 頭を洗うときの注意点は? 触るとやわらかいので力加減に悩むが、小野さんは「頭は皮脂や汗で湿疹ができやすい。やさしくなでるだけではダメ」。ベビー用シャンプーを泡立て、首の後ろをしっかりと支えて、指の腹でマッサージするような感覚で洗う。

 洗うときに耳に水が入ってしまったら、目に見える範囲をティッシュで拭き取る。綿棒で耳の奥まで拭こうとするとかえって危ない。「おりつこどもクリニック」(東京都)の折津友隆院長は「水は自然に蒸発するので、気にしすぎなくていい」と話す。

 子どもを浴槽に入れる間は絶対に目を離さないこと。東京消防庁によると、昨年水に溺れて救急搬送された0〜5歳の子ども46人のうち40人が浴槽で溺れた。浮き具を使って9カ月の男児を浴槽に浮かべ、着替えを取りに行っている間に溺れた▽親が髪の毛を洗っている間に2歳の男児が浴槽に沈んでいた、などのケースがあり、同庁は「わずかな時間に事故が起こるので注意してほしい」としている。

 ■生活力を育てる

 一方、子どもに自我が芽生える頃から悩まされるのがお風呂嫌い。保育・育児アドバイザーの松原美里さんは「子どもは先の見通しを持ちにくく、今夢中になっている遊びを止めてまで入浴するのを嫌がりがち。その気にさせるポイントは『お風呂=快』という意識をすり込むこと」と話す。効果的なのは、子どもの遊び心をくすぐる作戦だ。

 まずは「この間、水鉄砲で遊んで楽しかったよね。また一緒に遊ぼう」などと声をかけ、お風呂も楽しそうだと思わせる。子どもの気をひいてから「きょうはいっぱい汗をかいたね。そのままにしておいたら臭くなっちゃうよ」と説明。子どもが納得してお風呂に入るように促す。

 入浴後に「きょうも楽しかったね。また一緒に入ろう」と声をかけると、楽しかった感覚が強まり、翌日以降も誘いやすい。松原さんは「色々な手を使って自らお風呂に入るように導いてあげることが、長い目で見れば子どもの生活力を育てることにもつながる」と話した。(伊藤舞虹)

引用http://digital.asahi.com/articles/DA3S11482720.html

幼い子どもの花粉症 まずは気づいて受診して 2/22

 子どもが鼻や目をクシュクシュと、こすったりしていませんか。花粉が本格的に飛び始めるこの季節。本人はつらさをうまく言葉にできないだけに、周囲の大人が早めに気づいてあげることが大切です。

 東京都江東区に住む主婦の若松清美さん(41)が、小2の娘・栞(しおり)ちゃん(8)の変化に気づいたのは、2歳のときだった。

 時は2月。鼻がつまって苦しそうで目もかゆそう。でも、花粉症の経験がない清美さんは「風邪かな?」としか考えなかった。症状は、暖かくなる頃にはおさまった。

 だが、次の年も同じ時期に似たような状態に。耳鼻科を訪れて、花粉症と診断された。最近は、外出時に花粉症対策用のメガネとマスクをつけるようになり、ようやく症状が軽くなってきたという。

 幼児でも花粉症になる子は少なくない。

 ロート製薬が2014年、0〜16歳の子ども約2500人の親に聞いた調査では、約3割の子どもについて、親が「うちの子は花粉症だ」と感じていた。うち0〜5歳で発症している子は4割を超えた。

 子どもの花粉症に特徴はあるのだろうか。

 大阪府済生会中津病院小児科、免疫・アレルギーセンターの末廣豊医師は、くしゃみや鼻水といった花粉症の典型的な症状が、大人よりも出にくいと説明する。

 「ぼーっとする、頭が重く感じるといった症状もあると思いますが、幼い子どもは言葉にして訴えることができません。大人が早めに気づいてあげることが大切です」

 ■風邪と見分ける

 風邪と見分けがつかず、気づきにくいケースもある。発熱はなく、鼻水が透明で、自宅にいるときよりも外出時に症状がひどくなるといった傾向があれば、花粉症の可能性がある。

 治療は、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬を飲んだり、くしゃみや鼻水をおさえるステロイド薬を鼻に噴霧したりするのが一般的だ。抗ヒスタミン薬は眠気をもよおすことがあるが、最近は眠くなりにくいタイプの薬も出ている。

 末廣医師は「花粉症を放っておくと、授業に集中できないなど学校生活の質にも影響を及ぼします。症状が進んでからでは治療の効果も出にくいので、早めの受診を心がけてください」と助言する。

 では、普段の生活で家族ができることは何だろうか。

 基本は「花粉をできるだけ避けること」(末廣医師)。ただ、親自身が花粉症ではない場合、ついつい対策を忘れがちだ。

 家に花粉を持ち込まないために、帰宅時には、服や体についた花粉を玄関先で払う。日中は、窓を開けっ放しにしない。セーターやフリース素材など毛羽だった服は花粉がつきやすいので、子どもだけでなく家族も避けたほうがよい。

 花粉情報をチェックして飛散の多い日に外出する時は、マスクや花粉症対策用のメガネなどを利用する。帰宅時は、うがいや手洗いも忘れずに。目をかゆがる時は、こすらずに、水で洗い流すといい。(立松真文)

 引用 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11614757.html

新1年生、親の心構え ワクワク感高める声かけを

小学校の入学式まで1カ月。初めての学校に不安を感じドキドキしている子もいそうです。子どもの不安への向き合い方や学校への関わり方など、入学前の親の心構えは?

 「入学前の子どもたちは、期待と不安が入り交じった気持ちでいる。周りの大人たちが、ワクワクする気持ちを伸ばしてあげるといい」と話すのは、児童文学作家のくすのきしげのりさん(53)。徳島県で、小学校教諭を26年間務めた経験がある。2月に出版した「いちねんせいになったから!」では、新1年生の気持ちを絵本にした。

 新入生のりゅうたろうくんは、友達を100人つくる方法をいくつも考える。入学式当日は緊張のあまりもじもじしてしまうが、優しい先生に迎えられ、声をかけてくれた女の子とも友達になる。

 「緊張するのは周りの子も同じ。教室で初めて会う子も不安な気持ちでいるとわかれば、自分から『一緒に遊ぼう』と声をかけてみようと思える」

 くすのきさんが勧めるのは、入学前に子どもに物を示しながら、これまでの成長を振り返ってみることだ。着られなくなった服や履けなくなった靴を見せて「大きくなったね」と話したり、お絵かきや工作を並べて「上手になったね」とほめたり。昔できなかったことができるようになったと実感することで、「小学校ではもっと色々なことができる」と自信を持てるようになるという。

 注意したいのは、言葉のかけ方だ。「1年生になるのにこんなこともできないの!」と叱るのは、「小学校が大変な場所だという印象を与え、意欲をそいでしまって逆効果」。「早起きしたら、授業が始まる前に少し友達と遊べるかもよ」などと、期待感を高めるのが効果的だという。

 授業中に立ち歩くなど問題行動に思えることも、じっくり話を聞くと、子どもなりの言い分があることが多い。授業についていけていない、友達とけんかして気持ちが収まらないなど、悩みに気づくこともあるという。勉強については、親が教科書を一度通読しておくだけでも、子どもの関心やつまずきに気づきやすくなる。

 学校での様子が、親に見せる態度と違うこともある。「先生は子どもをよく見ている。心配なことがあったら、先生を信頼して相談してみてほしい」

 ■先生と積極的につながって

 子どもの学校生活を支えるには、先生との関係づくりも重要だ。学校と保護者の関係に詳しい大阪大学大学院の小野田正利教授(教育制度学)は「学校に行く限られた機会をフル活用して、先生に話しかけて」と呼びかける。

 例えば授業参観の後、学級懇談会が開かれることがある。「授業だけ見て帰る親も多いが、先生とゆっくり話せる数少ない機会。顔を出すことで、いざというときに相談しやすくなる」と話す。

 子どもが学校を嫌がるなど、学校の対応に不安を感じたときは「我慢して不信を募らせる前に、先生と話すことが肝心」。ただ、一定の配慮も必要だという。

 朝や日中に電話をしても、先生は授業で忙しく、対応しにくい。比較的落ち着いて話せるのは、子どもたちの下校後になるという。

 連絡は、まずは担任から。「校長や教育委員会にいきなり電話をしたり、文書を送ったりする人もいるが、余計な混乱を招いて担任との間に壁をつくってしまう」。いじめの疑いがあるなど不安が大きいときには、あらかじめ約束を取り付けた上で学校に行き、直接、顔を見て話し合うと気持ちも伝えやすい。

 親同士がつながることで防げるトラブルもある。

 例えば、子どもが友達にけがをさせてしまった時。最近は個人情報保護を理由に連絡網を作らない学校もあるため、連絡できないでいるうちに、相手の親に不信感を抱かせてしまうケースも。学校が配布しないときは、PTAが呼びかけて親の同意をもらい、連絡網をつくる方法もある。

 小野田教授は「学校や周りの親と、気軽に情報交換や助け合いができる関係づくりは、子どものサポートにもつながる」と話す。

 (伊藤舞虹)

引用http://digital.asahi.com/articles/DA3S11627015.html